南投県に旅行の最強ガイド

大自然、食、文化、歴史、そして、人(ひと)。ぎっしりと魅力が詰まった南投県。ここでは限られた日程の中で存分に旅を楽しむモデルコースを紹介します。いずれも代表的なスポットを効率良く回るための特選ルートです。台湾高速鉄路の開通で益々便利になった南投県。じっくりとその魅力に触れてみましょう。

1. 集集線と日月潭を訪ねる一泊二日コース

集集線 台北―高鉄台中駅・新烏日―集集線―水里―日月潭(泊)―高鉄台中駅

コンパクトに南投県の魅力を探るのに適したコースです。

まずは台北を早朝発の台湾高鉄で出発します。高鉄台中駅までの所要時間は1時間ほど。ただし、朝の台北駅はコンビニくらいしか開いていないので、朝食はホテルなどで済ませておくか、事前に購入しておきましょう。

高鉄台中駅は在来線新烏日駅に隣接していますが、新烏日駅には自強号などの在来線の優等列車は停車しません。事前に新烏日駅発の列車の時刻を確認しておきましょう。二水から先、集集線に直通する列車もあります。

集集線の分岐駅である二水駅は日本統治時代に建てられた白亜の駅舎が現役です。途中、集集駅で付近の散策を楽しんでから水里へ向かいましょう。集集は徒歩でも散策が可能ですが、駅前にはレンタサイクルのショップもあるので、これを利用すると、行動範囲がぐっと広がります。

水里は観光地ではないものの、地方都市らしい風情が漂っています。時間があれば、集集線の終着駅である車埕まで足を伸ばしてみましょう。ただし、列車は約二時間おきなので要注意です。必ず、事前に発車時刻を確認しておいてください。

水里からは日月潭行きのバスを利用します。豊栄客運のバスターミナルは駅前を進んで交差点を左折したところにあります(員林客運のさらに先にあります)。ローカルバスの風情をたっぷりとお楽しみください。

日月潭のホテルはバスターミナル付近にいくつか集まっています。食事や散策の便を考えると、この辺りに宿をとるのがベストです。水社埠頭付近のホテルでは美しい日月潭を眺められる部屋をリクエストしましょう。翌日はたっぷり日月潭を散策。湖畔を走る環湖公車が便利です。

日月潭から台中行きのバスは南投客運が「高鉄快捷」というバスを日中ほぼ一時間おきに運行しています。所要約二時間で運賃は200元。このバスは埔里や草屯の台湾手工芸館に寄り、高鉄台中駅経由で台中市街まで行きます。最終便は18:25発で、高鉄台中駅で台湾高鉄に乗り継げば、台北へ戻れます。

2.集集線と東埔温泉を訪ねる一泊二日コース

東埔 台北―高鉄台中駅・新烏日―集集線―水里―東埔温泉(泊)―水里―台中

台北を早朝に出発して高鉄台中駅へ。新烏日から在来線に乗り継いで、集集線へ。集集では途中下車を楽しんで、駅周辺を散策。レンタサイクルの利用がおすすめです。ただし、夏場は想像以上の暑さになるので、日射病対策はしっかりとする必要があります。

集集からは午後の列車で水里へ向かい、員林客運のバスで東埔温泉へ。バスターミナルは水里駅近くのセブンイレブンの向かいにあります。また、時間に余裕があれば、終点の車埕まで行き、付近の散策も楽しむのもおすすめです。集集から水里までの区間は鉄道に並行してバスも頻繁に走っていますので、これを上手に組み合わせれば、よりスケジュールが自由になります。

水里から東埔温泉までは結構な長旅となりますが、車窓は美しく、退屈はしないはず。ただし、車酔いしやすい人は酔い止めの準備をしておきましょう。

東埔温泉は小さな温泉郷で、散策は徒歩でOKです。付近にはいくつかの散策歩道が整備されていますが、これらは早朝に歩くのがおすすめです。いずれも坂道が少々厳しいですが、チャレンジする価値はあります。源泉地まで歩いてみるのは距離も手頃でおすすめです。季節によっては霧が出やすいので注意しましょう。

翌日は早朝の東埔温泉を散策し、バスで水里へ向かいます。水里からは集集線を利用するもよし、總達客運のバスを利用して台中市街へ向かうもよし(このバスは高鉄台中駅を経由しません)、南投市に寄り道するもよし、また、日月潭や埔里を経由して高鉄台中駅に向かうもよし。ルートの選択肢が多いのが嬉しいところです。

3. 避暑地・清境農場を訪ねる一泊二日コース

清境農場 台北―高鉄台中駅―埔里―霧社―清境農場(泊)―高鉄台中駅

日本ではまだまだ知られていない清境農場をメインに訪ねるコースです。

まずは高鉄台中駅を目指しましょう。ここから埔里までは南投客運が30分おきに便を出しています。バスは快適な走りを見せ、所要1時間あまりで埔里の市街地に入ります。

埔里のバスターミナルは2カ所ありますが、旅行者は中正路のターミナルを利用することになります。ここは市街地の中心部にあり、周辺地域へ向かう南投客運や豊栄客運のバスに乗り継ぐ際の要衝となっています。

埔里から清境農場までは仁愛郷の中心地である霧社を経由していきます。埔里からは廬山温泉行きほか、いくつかの路線が出ていますが、霧社までは同一ルートを走るため、本数が多くなっています。バスターミナルではコンパクトにまとまった時刻表がもらえます。

霧社は仁愛郷内で唯一と言ってもいい市街地で、廬山温泉や奥萬大森林遊楽区など、この地域を旅行する際の拠点となります。レストランやホテルなどが数軒集まっており、コンビニエンスストアもあります。買い物なども済ませておくようにしましょう。

清境農場へは松崗、翠峰方面行きのバスを利用します。清境農場には民宿を中心とした宿泊施設が整っています。清境国民賓館の周辺が最も開けており、コンビニエンスストアやカフェなどもあります。ただ、メインの散策スポットとなる青青草原まではここから約1キロの距離があります。バスを上手に利用して訪れてみましょう。

清境農場には数多くの宿泊施設がありますが、その大半は民宿です。民宿とは言っても建物は大きく、しかも欧風の建造物ばかりなので圧倒されます。週末は込みあうことが多いので、予約を入れる必要があります。

翌日は散策をたっぷりと楽しんだ後、霧社と埔里経由で帰路につきます。清境農場発霧社方面行きの最終バスは18時前後となっています。なお、このバスを乗り継いで高鉄台中駅まで行ければ、その日のうちに台北へ戻ることが可能です。

4.日月潭の絶景と地方情緒を訪ねる一泊二日コース

日月潭 高鉄台中駅→日月潭(泊)→水里→台中

日月潭をたっぷりと楽しんで、同時に南投県ならではとも言える地方情緒にも浸かりたい旅人向けのコースです。

高鉄台中駅から南投客運が運行する「高鐵快捷」と呼ばれる路線を利用。このバスは在来線の台中駅を起点に高鉄台中駅や草屯の台湾工芸研究所を経由して埔里にいたります。30分おきに運行しており便利です。そして、2本に1本の割合で埔里から先、日月潭行きも出ています。中には九族文化村に寄るものもありますが、こちらは1日4往復と便数が限られるので注意しましょう。

日月潭到着後、ホテルで旅装を解いたら、早速散策を始めたいところ。日月潭が最も美しいのは夕方と明け方。特に朝はどんなに早起きしても後悔はしません。翌日は必ず早起きをして散策を楽しみましょう。まだ薄暗い頃から湖面を眺めていると、刻一刻と表情を変えていく様子を楽しめます。

その日は午後に水里へ向かいましょう。途中、蛇窯文化園区を通りますので、お好みに合わせて寄り道を楽しみましょう。水里からは車埕を往復し、帰りは集集に寄って帰路へ。集集からは列車を利用して彰化に立ち寄ってもいいですし、バスを利用して名間や南投に寄ってみるのもおすすめです。いずれも地方情緒が感じられる魅力的な町です。

5.集集線に日月潭、清境農場を巡る二泊三日コース

日月潭 高鉄台中駅→南投→集集→水里→日月潭(泊)→埔里→清境農場(泊)→高鉄台中駅

高鉄台中駅からまずは南投市へ。中山公園を散策し、武徳殿などを見学。昼食は名物の意麺を味わいます。午後は名間経由のバスに乗って集集へ。ここではレンタサイクルを利用して周辺を散策しましょう。

集集線の終着駅車埕では二時間ほど散策。ここには木造家屋を利用した休憩所やカフェがあります。水里に戻り、バスで日月潭へ向かうことができれば、日月潭に沈む夕陽を楽しめるので、早いうちの移動がおすすめです。

翌日は早起きして、茶業改良場まで足をのばしてみるのがおすすめ。その後は日月潭を9:20に出る南投客運のバスに乗って九族文化村へ。ここには日本語ができる老人もいるので、ゆっくりとお話を聞かせてもらいましょう。

午後はバスで埔里へ向かい、各スポットを散策。この日は埔里に宿を取ってもいいですし、霧社や清境農場、廬山温泉まで移動して、こちらに宿泊するのも手です。宿泊費を安くあげたいなら霧社ですが、個性的な宿と雲南料理が楽しめる清境農場も捨てがたいところです。

最終日は好みに合わせてバスを選び、高鉄台中駅へ向かいましょう。南投県の魅力をたっぷりと楽しめるコースです。

6.温泉と絶景を楽しむ充実の二泊三日コース

温泉と絶景 台鉄台中駅→二水→集集線→水里→東埔温泉(泊)→水里→九族文化村→日月潭(泊)→埔里→高鉄台中駅

南投県の魅力をしっかりと押さえられるプラン。

まずは台湾高鉄で台中へ向かいます。隣接する新烏日から在来線で二水駅に向かい、集集線に乗り換えます。この日は一日乗車券を利用して途中下車を楽しみましょう。もちろん、終点の車埕駅にも訪れて、散策を楽しみたいところです。

体力に自信があれば、坂道はつらいものの、水里でレンタサイクルを借り、自力で車埕まで行くことも可能です。水里に戻ったら、員林客運のバスで東埔温泉へ。付近にはハイキングコースがいくつかあるので、それらを巡ってみましょう。

翌日は早朝の散歩を楽しんだ後、水里へ向かいます。途中には蛇窯文化園区があるので、ここにも立ち寄ってみたいです。その後、日月潭行きのバスに乗って日月潭へ。ボートなどもあるので、好みに合わせて利用しましょう。

翌日は早朝の日月潭を堪能して九族文化村へ。9:20分発のバスの利用が便利です。夕方のバスで高鉄台中駅へ向かえば、その日のうちに台北へ戻ることができます。

7.台北発、日月潭の日帰りコース
日月潭 高鉄台中駅→日月潭→高鉄台中駅

時間はないけれど、どうしても日月潭を訪ねたいというプラン。

まずは台北を早朝出発で高鉄台中駅へ。そこから南投客運の高鐵快捷に乗り継いで日月潭へ。毎時30分発が日月潭行きとなっています。この場合、埔里を素通りすることになりますが、日月潭での時間を確保するためには敢えて涙を呑みましょう。

日月潭では環湖公車を利用するのがベストですが、タクシーのチャーターも可能です。途中の観光スポットで待っていてくれるのはありがたいですが、スケジュール管理は自分自身で。料金は公定価格がありますが、必ず事前に金額を確認しましょう。

なお、日月潭発の最終便は18:25発なので注意しましょう。慌ただしさは禁じ得ませんが、どうしても日月潭の美しさに触れたいという旅人にはおすすめのワンデイトリップです。

8.集集線と日月潭の日帰りコース

 

高鉄台中駅→二水→集集線→水里→日月潭→高鉄台中駅

まずは早朝出発で台北から高鉄台中駅へ向かう。隣接する新烏日から二水へ移動し、集集線の列車に乗り換えます。集集線は本数が多くないので、必ず事前に時刻を確認しておきましょう。

このコースに限らず、集集線をコースに盛り込んだ場合、集集や水里で途中下車することになりますので、「週遊券(周遊券ではない)」と呼ばれる一日乗車券を二水駅で購入しておくと便利です。乗車のたびに切符を購入する必要がなくなります。

午後は14時くらいを目安にして水里から日月潭へ向かいます。水里で昼食をとることになりますが、駅前通りを進んでいくと何軒かの食堂があります。屋台なども出ているので、食べ歩きを楽しみましょう。

もし集集線を早めに切り上げることができれば、日月潭で昼食を食べるというプランもおすすめです。バスが発着する水社碼頭付近には、ホテルやレストランが集まっており、総統魚や原住民族料理など、個性あふれる食事を楽しむことができます。

午後は時間の許すかぎり、日月潭の美しさをめでたいものです。時間的な制約があるので、湖を一周するのはやや危険ですが、水社碼頭付近のホテルには日月潭を一望できるカフェなどもあるので、こういったところを利用してくつろぐのも良いでしょう。

日月潭からは南投客運の高鐵快捷で高鉄台中駅へ。日月潭発の最終便は18:25発です。日帰りということもあり、このコースは結構ハードな道のりです。バスや台湾高鉄の車内ではゆっくりと休んで帰途につきましょう。

9.鉄道ファン向け、集集線日帰りコース

台中駅→彰化→二水→集集線→水里→高鉄台中駅

鉄道好きを満足させてくれるちょっぴりマニアックなコース。

高鉄台中駅からまずは彰化駅を目指します。ここには昔懐かしい扇型車庫が残されており、蒸気機関車を見ることが可能で、内部の見学もできます。

次に訪れたいのは二水駅です。ここでも駅の北側に蒸気機関車が静態保存されています。白亜の駅舎も必見です。特に観光地ではないですが、こういった駅で途中下車を楽しむのもの良いでしょう。

集集駅では木造駅舎を眺め、今や台湾でも珍しくなっている硬券乗車券を記念に購入しましょう。また、レンタサイクルで付近を巡り、撮影を楽しむのもいいです。南国らしい風景の中を走る列車の様子はぜひともカメラにおさめたいところです。駅に隣接している文物館ものぞいてみましょう。

終点の車埕では木材運搬に使用されていた簡易軌道の廃線跡などを見学しましょう。この駅の構内は広く、蒸気機関車の給水塔なども残っています。構内全体が公園のような扱いで開放されています。

水里からはバスを用いて台中方面に向かってもいいですし、手頃な時間に列車があれば、二水経由で新烏日へ出て、台湾高鉄で台北に戻ってもいいしょう。なお、このバスで台中市内に向かった場合、台湾高鉄の駅には寄らないので、在来線の台中駅から自強号などで台北に向かうことになります。台中からは台北行きのバスも頻繁に出ていますので、これを利用するのも手です。

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